介護保険のしくみ

介護保険とは、40歳以上の被保険者が加入を義務付けられている保険で、64歳までの被保険者は保険料を健康保険料と一緒に徴収され、65歳以上の被保険者は原則として年金からの天引きで市町村が徴収します。

 

介護保険の加入者は、第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40~64歳まで)に分けられますが、基本的にサービスの対象者(受給者)は第1号被保険者だけです。第2号被保険者は、指定されている16疾病(特定疾病)に該当して介護認定を受ければ、受給可能となります。

 

<特定疾病>

厚生労働省HP: https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html

 

介護保険の被保険者証は、65歳以上であれば自治体から郵送されますが、64歳までの方は、介護認定されない限り、発行されません。

 

介護認定からサービス利用までの流れ

介護サービスを利用するための流れは、大きく分けて3段階あります。

(1) 介護認定のための手続き

介護保険サービスを利用するには、市区町村の介護保険担当窓口で介護認定のための申し込みをする必要があります。

申し込み後、役所の担当者が自宅を訪問し、問診や身体機能チェックを行います。このチェックは、介護保険の利用対象者として相応しいかどうかを認定するためのものですが、実際に要介護認定の結果が出るまでには1~2か月程度かかるため、早めに手続きを行うようにしましょう。

 

(2) ケアマネジャーの決定

介護サービスを受けるには、「ケアプラン」(介護サービス計画書)というものを作成しなければなりません。自分でこのケアプランを作成してもいいのですが、一般的にはケアマネジャーに依頼します。

 

ケアマネジャーとは、治療、看護、生活支援などの介護サービス内容を利用者の立場で総合的に支援してくれる役割を担っています。具体的には、介護保険の申請代行、ケアプランの作成、介護に関わる各種手続きや介護サービス提供者との連絡・調整などを行ってくれます。

ケアマネジャーへの支払いは、全て介護保険により賄われているので、利用者の自己負担はありません。要介護の方のケアマネジャーは、居宅介護支援事業者に所属しています。ケアマネジャーを探すには、地域包括支援センターで同事業者のリストをもらって、自分で選ぶのが一般的です。

 

ケアマネジャーを決めるにあたっては、自分や家族との信頼関係が築けるかどうかが重要です。契約前に、介護保険制度の説明や施設に関する相談をしてみて、人柄や知識・能力などを判断するようにしましょう。

 

一旦決めたケアマネジャーであっても、気が合わない場合やサービスの手配などに不満がある場合には、変更も可能です。居宅介護支援事業者にケアマネジャーの変更をしたい旨を直接伝えるか、別の事業者または地域包括支援センターに相談してもいいでしょう。

 

(3) ケアプランの作成・確認

ケアマネジャーを見つけたら、ケアプランの作成を依頼します。その原案内容と説明に納得した場合には、「居宅介護支援契約」を結び、介護サービスの手配をお願いします。

 

介護保険サービスの内容

介護保険サービスを利用するには、市区町村の介護保険担当窓口で介護認定のための申し込みをする必要があります。申し込み後、役所の担当者が自宅を訪問し、問診や身体機能チェックを行います。この認定には1~2か月程度かかりますので、早めに手続きを行いましょう。

 

「要介護認定」を受けると、以下のサービスが利用可能となります。

 

(1) 支援サービス

家族の相談、ケアプランの作成など

 

(2) 自宅介護サービス(居宅サービス)

  • 通所型デイサービス(介護施設での身体機能のリハビリやレクリエーション、食事や入浴の支援)
  • デイケア(施設や病院などで、理学療法士によるリハビリ)
  • 訪問家事支援(掃除や洗濯、買い物や調理などの支援)
  • 身体介護(入浴や排せつの介助)
  • 訪問看護(医師の指示に従い看護師が健康チェックや療養上の世話を行う)
  • ショートステイ(施設等に短期宿泊し、食事・入浴の支援を受けたり、心身機能のリハビリを行う)

 (3) 施設入居サービス

  • 特別養護老人ホーム(「特養」)
  • 老人健康保険施設(「老健」)
  • 介護療養型医療施設(病床での療養を目的とした医療施設)

(4) 介護用品サービス

介護ベッド、車いす、簡易トイレなどのレンタル

 

(5)介護リフォーム

居宅のバリアフリー対応、廊下やトイレの手すり設置などへの補助金が20万円を上限として支給され、利用者負担はその1~3割