エンディング・ノートの作成

終活には大きく分けて、以下の3つのステップがあります。

1)人生の棚卸とエンディングについて考える(エンディング・ノートなどの作成)

2)生前整理(モノの整理)

3)生前契約(想いを引き継ぐ)

 

1つ目の人生の棚卸とエンディングについて考えることは、終活の「入り口」と言ってもいいでしょう。

エンディング・ノートをきちんと作り上げると、これまでの人生が整理でき、不思議とこれからの人生でやりたいことが明確になってきます。書き出すことにより頭も気持ちも整理され、今やるべき事がわかってくるのです。これが出来れば、2つ目と3つ目はほぼ出来たも同然なのです。

 

エンディング・ノートは、本屋などで市販されているものもあれば、葬儀社や信託銀行などでも無料配布しているものもあります。ご自分の気に入ったものであれば、どんなノートを使っても構いません。勿論、ご自分でパソコンで作ってみてもいいでしょう。そこには資産情報、介護・病気延命治療、葬儀、自分史などについてを書き込んでいきますが、私たちが何より一番大切と考えているのは、家族・友人への感謝の気持ちを綴ることです。

 

とはいっても、大半の方は簡単にエンディング・ノートを書けないのが現実です。「時間がない」、「何を書いたらいいのかわからない」「まだ元気だからもう少ししてから書こう」など、理由は様々。

でも、それでもいいのです。一気に書き上げる必要もなければ、一度書いたものを書き直しても構わないのです。

まずはページを開いて、自分のペースで書けるところから書いていきましょう。

 

当社ではエンディング・ノートがなかなか書けない方のために、終活のファースト・ステップとしてのエンディング・ノートの作成を支援しています。

一人で悩まずに、是非一度ご相談ください。終活カウンセラーが皆さんに寄り添って一緒に考えていきます。

 

遺言書との違い

エンディング・ノートは、特に決まったフォーマットはありません。そのため、書く内容も人によって様々です。基本的には何を書いても構いませんが、遺言書とエンディング・ノートの決定的な違いは、法的効力がないことです。

 

エンディング・ノートは、自身の生前の終末期医療や延命措置などについての希望などを伝える手段にもなりますし、死後の様々な手続き(葬儀、お墓、相続など)についての希望を書いておくことで、それらの手続きがよりスムーズになることは間違いありません。そして、何度でもいつでも自由に書き直しが可能な点も特徴です。

 

一方、遺言書は、相続に関連する事柄、主に財産の処分方法を記載します。遺言書には法的効力があるため、エンディング・ノートと違うことが記載されている場合には、こちらが優先されます。

また、基本的に生前の開封が許されないため、生前の週末医療や延命措置についての事柄は遺言書には書けません。

 

以下、それぞれの特徴を比較していますので、参考にしてください。

 

  エンディング・ノート 自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
法的効力 ×
様式 自由 自由(PCでの作成は不可) 公証役場の様式 自由(PCでの作成可)
手続き 一人で作成可能  一人で作成可能 公証人が遺言者の意思を聞き取りながら作成。2人の証人が必要 立会人2名と共に遺言者が公証役場に自作遺言書を持ち込み、遺言書の存在を確認
保管 自己責任 自己責任 公証役場 自己責任
事前開封 ×  ×  × 
書き直し

〇(いつでも可)

 〇 〇  〇 
記載内容

終末期医療・延命措置の希望、財産状況、保険・年金等情報、家族へのメッセージ

死後の相続関係(財産分与、認知など)    
メリット

家族や友人への意思表示(医療の希望など)や感謝のメッセージ伝達が可能

特別な手続き不要で、手軽に作成可能 公証人が作成するので、内容には不備がなく一番正確

 PCでの作成が可能

内容は公証人も立会人も知らない

デメリット

法的効力がないため相続などの正式な手続きには利用不可

保管場所がわからないと見つけられない

PCでの作成は不可

内容に不備があると無効

保管場所がわからないと見つけられない

遺言書を発見した相続人は裁判所で検認手続き必要

手続きに時間と費用がかかる

手続きに費用がかかる

内容に不備があると法的効力に問題が生じる場合もあり

保管場所がわからないと見つけられない